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この記事では、DIADEMというブランドの成り立ちから、主なシリーズ、形状や厚みの選び方までをまとめて紹介します。
DIADEMはどんなブランド?

DIADEM(ダイアデム)は、アメリカ発のラケットスポーツブランドです。
本社はフロリダ州フォートローダーデールにあり、テニスやピックルボールのプレーヤー・コーチとしての経験を持つメンバーによって運営されています。
日本では、テニスラケットのブランドとして知っている方も多いかもしれません。
国内でも硬式テニスラケットとピックルボールパドルが並んで販売されていて、テニスとピックルボールの両方を手がけるブランドという位置づけです。
日本の公式サイトでは、元ツアープレーヤーによる、革新的で高品質、かつユニークなデザインを打ち出した新しいブランドとして紹介されています。
以前紹介したJOOLAがもともと卓球用品のブランドだったのに対して、DIADEMはテニス出身のブランドです。
同じ「ほかのラケット競技からピックルボールに参入したブランド」でも、ルーツが違う点は覚えておくと比較しやすいと思います。
DIADEMのピックルボールパドルの特徴
DIADEMのパドルを語るうえで外せないのが、独自技術の「BluCore(ブルーコア)」です。
BluCoreは、ソリッドEPPフォームでできたコアで、コアの潰れや層間剥離を防ぎ、試合を重ねても性能が落ちにくいことを特徴としています。
ここで少し補足すると、パドルは使い込むうちに、内部のハニカムコアがつぶれて反発が変わってしまうことがあります(「コアクラッシュ」と呼ばれます)。
また、表面の素材とコアが少しずつはがれてくる「層間剥離」も、パドルの寿命を縮める原因のひとつです。
BluCoreは、こうしたパドルの“へたり”の悩みに正面から取り組んだ技術、と考えると分かりやすいと思います。
フォーム素材を使ったパドルの流れについては、「パドルの進化の歴史」でも紹介しています。
BluCoreを搭載したシリーズは、大きく2つあります。

Warrior BluCore(ウォーリアー ブルーコア)は、反発性とコントロール性のバランスを狙ったシリーズです。
19mmのモデルは、2層のBluCoreの間にケブラーハニカム層を挟み込んだ3層構造になっています。
形状と厚みの組み合わせで複数のモデルが用意されていて(日本では5モデル)、自分のプレースタイルに合わせて選べるのが魅力です。
Edge BluCore(エッジ ブルーコア)は、よりパワーを重視したシリーズです。
BluCoreの周りにEVAフォームを配置してサイド部分を厚くすることで、規定の範囲内で最大限のパワーを引き出す設計になっています。
さらに、エッジガードの中にシリコン製の「ショックガード」を入れて衝撃を吸収し、ディンクのようなソフトショットでも安定しやすくしています。
表面には18Kカーボンファイバーが使われていて、パワーとスピンを両立させる狙いです。
また、アメリカの公式サイトでは、Warrior BluCoreやEdge BluCoreに「コアの生涯保証(Lifetime Core Warranty)」を付けていることも打ち出しています。
ただし、日本国内で購入した場合に同じ保証が適用されるかは、購入店で確認するのがおすすめです。
主なシリーズ
DIADEMの日本公式サイトでは、パドルがシリーズごとに分かれて紹介されています。
ここでは、入門モデルから順に紹介します。
入門モデル「A52」「RUSH(ラッシュ)」
まず1本目に検討しやすいのが、A52とRUSHです。
A52は、DIADEMの技術を取り入れつつ、パワーとスピン性能を備えたコストパフォーマンス重視のシリーズです。
RUSHは、プレーだけでなくデザインも楽しみたい人に向けた、あらゆるプレーヤーに合わせやすいアベレージモデルという位置づけです。
RUSHは表面にざらざらしたグラスファイバーの質感があり、ボールをしっかりつかむ設計になっています。
パワー重視「ICON(アイコン)」
ICONシリーズは、薄いフレームに日本製の高品質カーボンファイバーを使い、反発性能と衝撃吸収性能を両立させたシリーズです。
パワーを重視するプレーヤー向けで、新しい「ICON ∞(インフィニティ)」は、パワー・スピード・スピン性能を高めたモデルとして2025年に登場しました。
日本では、ICON V2・ICON V2 XLと、ICON ∞シリーズが展開されています。
2026年の新作「HANABI(ハナビ)」
HANABIは、GEN3構造を採用した高反発モデルです。
公式では、ハイスピードな性能とボールの乗り感を両立した、コストパフォーマンスの高いシリーズとして紹介されています。
入門モデルから一歩ステップアップしたい人に向いています。
スピンとコントロール重視「EDGE 18K」
EDGE 18Kは、表面素材の技術にこだわった、DIADEMのフラッグシップシリーズです。
コントロールとスピン性能を重視するプレーヤーに向いています。
スタンダードの「EDGE 18K」と、パワー寄りの「EDGE 18K POWER PRO」があります。
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バランス型の主力「WARRIOR BluCore(ウォーリアー ブルーコア)」
BluCoreを搭載した、DIADEMの主力シリーズです。
日本では5モデルが展開されていて、2026年7月の価格改定で、以前より手に取りやすくなりました。
パワー重視の最上位「EDGE BluCore(エッジ ブルーコア)」
BluCoreにEVAフォームリングを組み合わせた、パワー重視の最上位シリーズです。
「PRO」と「HYBRID」の形状、14mmと16mmの厚みから選べます。
このシリーズには、日本人選手のシグネチャーモデル「EDGE BluCore PRO16 YUTA」もあります(後ほど紹介します)。
「スタンダード・プロ・ハイブリッド・マックス」と「厚み」の選び方
JOOLAのパドルが「ペルセウス・ハイペリオン・スコーピアス」という形で選べるように、DIADEMの上位モデルは「形状」と「厚み」の組み合わせで選べます。
DIADEMのパドルの形状は、スタンダード・プロ・ハイブリッド・マックスの4種類です。
Warrior BluCoreはそのうちプロ・スタンダード・マックスの3つ、EDGE BluCoreはプロとハイブリッドの2つから選べます。
日本で展開されているモデルを、形状と厚みで整理すると次のようになります。
| シリーズ | 形状 | 14mm | 16mm | 19mm |
|---|---|---|---|---|
| Warrior BluCore | PRO(プロ) | ○ | ○ | − |
| Warrior BluCore | STANDARD(スタンダード) | − | ○ | ○ |
| Warrior BluCore | MAX(マックス) | − | − | ○ |
| EDGE BluCore | PRO(プロ) | ○ | ○ | − |
| EDGE BluCore | HYBRID(ハイブリッド) | ○ | ○ | − |
4つの形状のちがい

STANDARD(スタンダード)は、スイートスポットが中央にくる、DIADEMのベースとなる形状です。
パワー・コントロール・打球感など、バランスの良さを求める人に向いています。
PRO(プロ)は、ハンドルを長くして、スイートスポットを上の方に配置した形状です。
コントロール性能を重視して、より正確なショットを打ちたい人に向いています。
ダブルスで安定したプレーをしたい人にもおすすめです。
HYBRID(ハイブリッド)は、プロとスタンダードの要素をミックスした形状で、幅広いスイートスポットを持っています。
安定性と扱いやすさのバランスが良く、さまざまなプレースタイルに対応したい人に向いています。
MAX(マックス)は、横幅が広く、スイートスポットが広いのが特徴です。
ミスを減らして安定したプレーをしたい人や、コントロールを重視する人に向いています。
厚みのちがい
厚みは、14mm・16mm・19mmの3種類があります。
DIADEMの公式では、薄いパドルはパワー・スピード・弾きを求める人向け、中くらいの厚みはバランスの取れたパワーとコントロール、繊細なフィーリングを求める人向けとしています。
そして、ラインナップで最も厚い19mmは、最高のタッチ感とコントロールを求める人向けです。
厚みと打球感の関係は、「パドルの選び方完全ガイド」でも詳しく紹介しています。
Warrior BluCoreでは、19mmだけ構造が違う点もポイントです。
19mmはケブラーハニカムを挟んだ3層構造で、そのぶん重さも少し増えて、MAX19は平均241gです。
DIADEMを使う選手たち
ダニエル・ムーア選手
DIADEMと縁の深い選手として、まず紹介したいのがダニエル・ムーア選手です。
ムーア選手は全米チャンピオンに9回輝いたプロ選手で、アズサ・パシフィック大学でテニスをしていた経歴を持ち、2014年に父親の勧めでピックルボールを始めました。
DIADEMもムーア選手も、どちらもテニスから歩みを始めたという共通点があり、DIADEMの公式ブログでも、ムーア選手はDIADEMと特に密接に関わる存在として紹介されています。
日本との関わりも深く、グローブライドのプレスリリースでは、日本国内におけるピックルボールの第一人者として紹介されています。
2024年には、ムーア選手と一緒にプレーできるDIADEMのピックルボール体験会も日本で開かれました。
実際に、仕事でピックルボール用品を扱っていると、「ムーア選手が好きだからDIADEMを使っている」という人がいる印象があります。
好きな選手と同じブランドを使いたい、というのも、パドル選びの立派な理由のひとつだと思います。
船水雄太選手
日本人選手では、船水雄太選手がDIADEMの顔です。
船水選手は、ソフトテニス界初のプロ選手として日本ソフトテニスリーグ10連覇を果たし、世界選手権でも優勝した実績の持ち主です。
2024年1月に単身でアメリカに渡り、ピックルボールに挑戦しました。
そして、アメリカのプロリーグ「メジャーリーグピックルボール(MLP)」のマイアミ・ピックルボールクラブにドラフトで指名され、日本人初のMLP選手になっています。
2026年1月1日からは、DIADEMのブランドアンバサダーを務めています。
ちなみに、ムーア選手は船水選手のピックルボール選手としての歩みを初期の頃から見てきたそうで、その成長ぶりを高く評価するコメントを寄せています。
DIADEMを通じて、2人の選手がつながっているのも面白いところです。
船水選手のシグネチャーモデル「EDGE BluCore PRO16 YUTA」は、日本を意識して作られた数量限定のモデルです。
先ほど紹介したEDGE BluCoreシリーズのPRO形状・16mmがベースになっています。
パドル以外の選択肢 ― パドルカバー・エッジガード
DIADEMは、パドルだけでなく備品もそろっています。
実際に、仕事で扱っている中で最近売れているのは、パドルよりも先にパドルカバーとエッジガードでした。
パドルカバー
DIADEMのパドルカバーは、販売店では「DIADEMパドル全モデル収納可能」と紹介されています。
パドルは、持ち運ぶときにバッグの中でほかの荷物とぶつかって、表面やエッジに傷がつきやすい道具です。
特に、表面のざらつきでスピンをかけるカーボン系のパドルは、表面を守るためにもカバーがあると安心です。
ICON MAX用エッジガード
もうひとつ売れているのが、ICON MAX用のエッジガード(グリーン)です。
エッジガードは、パドルの外周を守るパーツです。
ICON ∞シリーズは、交換可能なエッジガードを特長のひとつにしていて、エッジガードが傷んできたら、パーツだけ付け替えられます。
ICON MAX用エッジガードは、カラーがグリーンとブラックの2色で、パドル1本分のセットです。
対応モデルはICON ∞ MAXの2カラー(ブラック×グリーン、ブラック×ホワイト)です。
パドルを買い替えなくても、エッジガードだけ新しくして長く使えるのは、ICONシリーズならではの良さだと思います。
すでにICON ∞ MAXを持っている人が、使い込んだパドルをメンテナンスするために買っているケースもありそうです。
DIADEMが向いている人
ここまで紹介してきた内容をふまえて、DIADEMのパドルが向いているのはこんな人です。
手頃な価格で1本目を選びたい人
A52やRUSHは、はじめての1本にも手が届きやすい入門モデルです。
「まずはやってみたい」という段階なら、ここから始めるのがおすすめです。
スピンやコントロールを大切にしたい人
コントロールとスピン性能を重視するなら、EDGE 18Kシリーズが候補になります。
バランスの良さを求めるなら、形状と厚みを細かく選べるWarrior BluCoreも合わせて検討してみてください。
パワーで押していきたい人
反発力や攻撃力を求めるなら、ICONシリーズやEDGE BluCoreシリーズが向いています。
ミスを減らして、安定したプレーをしたい人
Warrior BluCoreのMAX19は、幅広の面でスイートスポットが広く、19mmの厚みでコントロールもしやすいモデルです。
1本のパドルを長く使いたい人
BluCoreは、コアの潰れや層間剥離に強いことを特徴にしています。
ICON ∞シリーズのように、エッジガードだけ交換して長く使えるモデルもあります。
テニス経験者や、好きな選手と同じブランドを使いたい人
テニス出身のブランドなので、テニスからピックルボールを始めた人には親しみやすいブランドだと思います。
ダニエル・ムーア選手や船水雄太選手を応援している人にとっても、選ぶ理由のあるブランドです。
自分がどのタイプに当てはまるか分からない場合は、「パドル診断」を試してみてください。
8つの質問に答えるだけで、あなたに合うパドルのタイプと、おすすめのモデルが分かります。
まとめ
DIADEMは、テニス出身のメンバーが立ち上げた、アメリカ発のラケットスポーツブランドです。
独自技術のBluCoreをはじめ、入門モデルから最上位モデルまで、幅広いラインナップがそろっています。
パドルを選ぶときは、まずレベルや予算に合わせてシリーズを絞り、Warrior BluCoreやEDGE BluCoreなら形状と厚みの組み合わせで自分に合う1本を探してみてください。
パドルカバーやエッジガードなどの備品もそろっているので、パドルを長く大切に使いたい人にもおすすめのブランドです。
同じように、ほかのラケット競技からピックルボールに参入したブランドとして、卓球出身のJOOLAについても「JOOLA完全ガイド」で紹介しています。
ブランドごとの違いを知ると、パドル選びがもっと楽しくなると思います。