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ピックルボールを始めたばかりのころ、サーブを打ったあとの「3球目」を意識したことはありますか?
私は始めて半年くらいは、サードショットの大切さがまったく分かっていませんでした。
ゲームを重ねるうちに、「3球目をどう打つか」でその後のラリーの展開が大きく変わることに、ようやく気づきました。
この記事では、サードショットの代表的な打ち方である「ドロップ」と「ドライブ」の違いと、どんな場面でどちらを選べばいいのかを、初心者向けにまとめました。
2バウンドルールやキッチンなどの基本ルールは、ピックルボールとは?の記事で図解しています。
サードショットとは?
ラリーの3球目=サーブ側が最初に打つショット
サードショットは、ラリーの中で3番目に打たれるショットのことです。
1球目がサーブ、2球目がレシーブ側のリターン、そして3球目がサーブ側の打つショットになります。
つまり、サーブを打ったチームが、ラリーの中で最初に打ち返すボールがサードショットです。
なぜ3球目が大事なのか
ピックルボールには「2バウンドルール」があり、サーブを受ける側はサーブを1回バウンドさせてから返し、サーブ側もそのリターンを1回バウンドさせてから返さなければなりません。
そのため、サーブ側はリターンがバウンドするのを待つ必要があり、ベースライン付近にとどまることになります。
一方、レシーブ側はリターンを打ったあと前に出られるので、3球目の時点では、レシーブ側がネット前、サーブ側が後ろという形になりやすいのです。
ネット前のキッチン(ノンボレーゾーン)は、ネットから約2.13m(7フィート)の範囲で、この中ではボレーができません。
キッチンのラインぎりぎりに立てると、ボールを打ち下ろしやすく、ラリーを有利に進められます。
後ろにいるサーブ側にとって、サードショットは「どうやってネット前に上がるか」を決める大事な1球です。

サードショットドロップとは
ねらい:相手のキッチンに落として、前に出る時間をつくる
サードショットドロップは、ベースライン付近から、相手のキッチンの中にふわっと落とす柔らかいショットです。
目的は、このショットで点を取ることではなく、自分たちがネット前に上がるための時間をつくることです。
USA Pickleballでも、サーブ側がリターンのあとにネットへ近づくための代表的な3球目として紹介されています。
キッチンに落ちてくるボールは、ネット前にいる相手も足元で処理するしかありません。
低い位置から持ち上げるように返すことになるので、強く打ち込まれにくくなります。
その間に、自分とパートナーがキッチンのラインまで前に出ていきます。
ボールの軌道と打つときのポイント
ドロップは、ボールを山なりに上げて、ネットを越えたあとに落ちていく軌道をイメージします。
ポイントは、山の一番高いところをネットの上ではなく、自分側のコートでつくることです。
そうすると、ネットを越えるころにはボールがもう下がり始めていて、相手のキッチンに落ちやすくなります。
打つときは、ネットに体を向けて、体の前でボールを下から持ち上げるように打ちます。
強く振る必要はなく、ボールを「運ぶ」ような感覚です。
打ったあとはそのまま前に進み、相手が打つタイミングでキッチンのラインまで届いていなければ、一度止まって構えてから、また前に進みます。
メリットと難しいところ
ドロップのいちばんのメリットは、後ろにいる不利な状況から、ネット前で相手と対等に打ち合える形に持ち込めることです。
うまく決まれば、ラリーをいったん落ち着かせて、仕切り直すことができます。
一方で、ドロップは身につけるのが難しいショットのひとつとされています。
コートの後ろから、ネットを越えてキッチンに収まる距離だけ、柔らかく飛ばす必要があるからです。
高く浮けば相手に打ち込まれ、低すぎればネットにかかってしまいます。
サードショットドライブとは
ねらい:低く速いボールで相手を押し込む
サードショットドライブは、ベースライン付近から、低く速いボールを相手コートに打ち込むショットです。
ドロップが「時間をつくる」ショットなら、ドライブは「相手に余裕を与えない」ショットといえます。
相手が返せずにそのまま得点になればいちばんですが、実際には多くのドライブは返球されるとされています。
そのため、ドライブも「1球で決めるショット」というより、後ろからネット前へ移っていくためのショットと考えるのが基本です。
速いボールで相手を押し込むと、返球が浅くなりやすく、次の5球目でドロップを打ちやすくなるとされています。
打つときのポイント
ドライブで大事なのは、早めの準備です。
相手のリターンを見て「ドライブで打てそうだ」と思ったら、その時点で肩を回してパドルを後ろに引き始めます。
ボールがバウンドするころにはテイクバックが終わっていて、あとは前に振るだけ、という状態が理想とされています。
もうひとつは、ボールの高さです。
ネット前にいる相手は、高く浮いたボールをボレーで打ち返してきます。
速さよりも、ネットの少し上を通る低い弾道で打つことを意識します。
メリットと難しいところ
ドライブのメリットは、相手に考える時間を与えず、ミスや甘い返球を引き出しやすいことです。
ドロップのような繊細な距離感はいらないので、強く振れる高さのボールなら、初心者でも打ちやすいショットです。
一方で、相手はネット前で構えているので、ドライブが浮くと、ボレーで打ち込まれてしまいます。
また、ドライブを打ったあとも自分たちは後ろにいるので、返ってきたボールにどう対応するかまで考えておく必要があります。
実際にプレーしていて感じるのは、ドライブを打つと、相手からの返球も速くなるということです。
ペアの人がそれを分かっていないと、自分ではなくペアの人のほうにボールが返ってきたときに、対応できないことがよくあります。
ドライブは自分ひとりのショットではなく、ペアで次のボールに備えるショットだと感じています。
そういう理由もあって、私は最近はドロップで返すようにしています。
ドロップとドライブの違いを比較
ここまでの内容を、表にまとめました。
どちらが正解というより、目的がまったく違うショットだと考えると分かりやすいです。
| ドロップ | ドライブ | |
|---|---|---|
| 目的 | ネット前に上がる時間をつくる | 相手を押し込み、甘い返球を引き出す |
| 軌道 | 山なり。自分側で一番高くなり、相手のキッチンに落ちる | 低く、ネットの少し上を通る |
| スピード | ゆっくり | 速い |
| 打ったあと | そのまま前に進む。間に合わなければ止まって構える | 速い返球にペアで備える。浅く返ってきたら5球目でドロップ |
| 向いているリターン | 低く弾むボール | ひざより高く弾むボール |
| 難しいところ | 距離感。浮くと打ち込まれ、低いとネットにかかる | 浮くとボレーで返される。返球も速くなる |

ドロップは「時間をかけて前に出る」、ドライブは「相手を押し込んでから前に出る」ショットです。
どちらも、最終的にはネット前に上がるためのショットという点は同じです。
どっちを打つ?場面別の使い分け
ドロップとドライブのどちらを打つかは、相手のリターンを見て決めます。
ボールが来てから迷うとミスにつながりやすいので、あらかじめ自分の中で目安を持っておくと安心です。
高く弾んで、前に踏み込めるならドライブ
USA Pickleballでは、ドライブを選ぶ目安として、次の3つが挙げられています。
- バウンドの一番高いところが、ひざより上にある(腰の高さなら理想的)
- 打つ直前の最後の一歩を、前に踏み込める
- リターンが、ベースラインとキッチンのラインのちょうど中間あたりに落ちる
高さのあるボールは強く打ちやすく、前に踏み込めると体のバランスも安定します。
さらに、リターンが浅ければそのぶん相手に近い位置から打てるので、相手の反応する時間も短くなるとされています。
深い・低いリターンならドロップ
反対に、深いリターンで後ろに下がりながら打つときや、ボールが低く弾むときは、ドライブの条件がそろいません。
こういうときに無理に強く打つと、ボールが浮いたり、ネットにかかったりしやすくなります。
ドライブの目安に当てはまらないときは、ドロップを選ぶと考えておくと分かりやすいです。
相手がネット前にそろっているとき
ドロップは、3球目に限らず、相手がネット前にいるときに効果的なショットとされています。
リターンのあと、レシーブ側の2人がキッチンのラインに並んでいるときは、ドロップで相手の足元に落とし、自分たちも前に出ていく展開が基本になります。
このとき大事なのが、ペアの人と同じタイミングで前に出ることです。
どちらか一人だけが先に出たり、遅れたりすると、自分とペアの人との間に距離が生まれます。
そのすき間は、相手にとって打ち込みやすい場所になってしまいます。
ドロップを打ったら、ペアの人と並んで一緒に上がっていくことを意識しましょう。

「ドライブ→5球目でドロップ」という組み立て
ドライブを打ったら、それで終わりではありません。
多くのドライブは返球されるので、次の5球目をどうするかまで考えておくことが大切です。
ドライブで押し込むと相手の返球が浅くなりやすく、ネットに近い位置から打てるぶん、5球目のドロップが打ちやすくなるとされています。
3球目で決まらなかったら、5球目でドロップを打って前に出る、という流れを覚えておくと、ドライブを打ったあとも慌てずにすみます。
初心者がよくやる失敗と練習方法
とりあえずドライブで返してしまう
私も始めたころは、3球目をやみくもにドライブで返していました。
サードショットの役割を知らないうちは、来たボールを強く打ち返すのが自然に感じるかもしれません。
でも、ここまで見てきたように、ドライブは「打てる条件がそろったとき」に選ぶショットです。
まずは「3球目はネット前に上がるためのショット」と意識するだけでも、打つショットの選び方が変わってきます。
ドロップが高く浮く・ネットにかかる
ドロップでいちばん多い悩みが、高く浮いて打ち込まれるか、低すぎてネットにかかるかのどちらかです。
ドロップは、体の前でボールを下から持ち上げ、山の一番高いところを自分側のコートでつくるショットです。
強く振ろうとせず、ボールを運ぶようなイメージで、まずは高さと距離を安定させることを目標にしましょう。
ドロップは身につけるのが難しいショットとされているので、すぐにうまくいかなくても焦らなくて大丈夫です。
練習では入るのに、試合だと入らない
私も今、ちょうどこの段階にいます。
練習ではようやくキッチンに入るようになってきましたが、ゲームの生きたボールをキッチンに返すのは、まだまだ難しいと感じています。
試合では、リターンの速さや深さ、高さが毎回違ううえに、打ったあとに前に出ることや、相手の位置も考えなければなりません。
練習で打てるようになったら、少しずつ試合に近い条件で練習していくのがおすすめです。
二人でできる練習メニュー
ドロップの練習でよく行われるのが、一人がキッチンのラインに立ってボールを出し、もう一人がベースライン付近からドロップを打つ練習です。
- ボールを出す人は、最初は打ちやすいボールをゆっくり出す
- 打つ人は、相手のキッチンに落とすことだけに集中する
- 安定してきたら、打ったあとに前に進むところまでセットで練習する
- 慣れてきたら、出すボールの速さや深さを変えて、試合に近づけていく
フォアハンドだけでなく、バックハンドのドロップも同じように練習しておくと、試合で慌てずにすみます。
パドルの違いでサードショットは変わる?
ドロップのような柔らかいショットと、ドライブのような強いショットでは、パドルに求めるものも少し変わります。
とくに分かりやすいのが、パドルの「厚み」です。
たとえばJOOLAの一部のパドルでは、同じモデルに14mmと16mmの2種類の厚みが用意されています。
メーカーの説明では、14mmは反発による強いボールが出しやすく、16mmはタッチやコントロールを重視した厚みとされています。
ドロップの距離感を大事にしたいならコントロール寄り、ドライブで押していきたいならパワー寄り、という考え方がひとつの目安になります。
厚みによる打ち心地の違いは、パドルの素材と厚みの違いの記事で詳しく解説しています。
ただし、パドルを変えればすぐにドロップが入るようになる、というわけではありません。
まずは今使っているパドルで、ボールの高さと距離感をつかむことが先です。
素材や厚みの違いについてはパドルの選び方完全ガイドで詳しく解説しています。
自分に合うタイプが分からない人は、パドル診断も試してみてください。
まとめ
サードショットは、サーブ側がネット前に上がれるかどうかを決める、大切な3球目です。
この記事のポイントをまとめると、次のようになります。
- サードショットは、サーブ側がラリーの中で最初に打つショット
- ドロップは、相手のキッチンに落として、前に出る時間をつくるショット
- ドライブは、低く速いボールで相手を押し込むショット
- 高く弾んで前に踏み込めるリターンならドライブ、深い・低いリターンならドロップが目安
- ドライブを打ったら、5球目のドロップまでセットで考える
- 前に出るときは、ペアの人と同じタイミングで上がる
私も最初は3球目の大切さが分からず、やみくもにドライブで返していました。
今はドロップを選ぶようにしていますが、試合の生きたボールをキッチンに返すのは、まだ練習中です。
すぐにうまくいかなくても、3球目を意識してプレーするだけで、ゲームの見え方が変わってくるはずです。
ルールをもう一度確認したい人はピックルボールとは?、試合で点数の数え方に迷う人は点数の数え方の記事もあわせて読んでみてください。
※この記事は、2026年10月時点の情報をもとに書いています。